たかしま生きもの田んぼの農地で栽培した在来品種の大豆「みずくぐり」。 「この大豆は、とくに味噌にすると飛びきり美味しいのができますよ」、と教えてくれたのは、全国の在来品種の大豆に造詣の深い大豆問屋さんでした。
美味しいものを作りたい情熱では皆が一致する研究会で、さっそく試作品のみずくぐり味噌を作り始めたのが2009年の年明けでした。大豆は貴重な「みずくぐり」のみをたっぷり使用し(大豆と米麹を1対1の比率で混合)、米麹にはもちろん、農薬・化学肥料を一切使用していないたかしま生きもの田んぼ米のコシヒカリを100%使用。塩は天然の海水塩で仕込んだ、こだわり農家の手づくり味噌です。
ただ茹でるだけでも豊かな風味と甘みが味わえる「みずくくり」で味噌を仕込んだら、どんな味わいになるのだろう。そんな期待の中、熟成を経て仕上がった味噌のコクと甘みは、まさに「みずくぐり」の味噌ならではの味わいです。生きもの豊かな「田んぼの大豆畑」で育ったみずくぐりの味噌、2011年秋より、満を持しての発売開始です!
カップ入り納豆のページでも紹介しましたように、乾いた土壌が適した大豆栽培は水田農地の転作にはそもそも適していません。とくに琵琶湖西岸の日本海気候に位置する高島は収穫期の晩秋に雨が多くなる土地柄で、大豆栽培はことさら難しいのが実情です。さらに、農薬を用いない栽培では虫食いの被害にも遭いやすくなってしまいます。
それでも、滋賀県在来品種の「みずくぐり」という、湿害や虫の害に強い大豆に着目し、お米と共に生きものを育む「たかしま生きもの田んぼ」の転作作物として栽培を始めました。
栽培をはじめてみて気がついたことは、大豆畑となった田んぼの「生きものの豊かさ」です。コシヒカリなどのお米の主な収穫期は、9月の後半から10月のはじめまで。このとき、田んぼにいたカエルやバッタは収穫作業と共に天敵からの隠れ場所を失い、その多くがチュウサギなどの野鳥たちの命の糧となります(トップページの収穫中のコンバインに群がるチュウサギはカエルを求めて集まってきたものです)。
収穫作業によって天敵から姿が丸見えになってしまい、田んぼにはいられなくなったものの、まだ冬眠に入るにはちょっと早い秋口のカエルたちなどにとって、晩秋まで緑の葉が残る大豆畑は貴重な避難場所であり、安全地帯となっているようです。
生きもの田んぼと共に多くの生きものを育み、秋の虫たちの合唱を聞きながら成熟した大豆畑の「みずくぐり」。そのひとつひとつを丁寧に収穫し、手づくりの作業で仕込みました。生きもの田んぼ自慢の手前味噌を、ぜひお試しください。
【たかしま生きもの田んぼ味噌】
内容量:納豆400g
※生きもの田んぼ味噌の購入はこちらからどうぞ。