「たかしま生きもの田んぼ」には、トキやコウノトリのようなトップスターこそいませんが、ちょっと前までは日本のどこでも身近な存在だった「田んぼの生きもの」が今も豊かに暮らしています。
チュウサギ秋の収穫時には、稲の茂みから飛び出してくるカエルを食べにやってきます。絶滅したトキと食べ物をとる習性が似ており、日本全国で数が減っているため、「準絶滅危惧種」に指定されています。「たかしま生きもの田んぼ」でカエルをたくさん食べて体力をつけてから、南国への秋の渡りに旅立ちます。 |
ニホンイシガメイシガメは小川から水田、森に至るまで里山全体の環境を利用して生きています。イシガメが元気に暮らしているのは、地域をあげて環境保全に取り組んでいる成果の現われなのです。 |
コハクチョウ冬の間も水を張ったままの田んぼには、北国から白鳥の群れがやって来て、落穂を食べたり体を休めたりします。「たかしま生きもの田んぼ」では、写真のコハクチョウのほかに、オオハクチョウの姿も見られました。 |
メダカ今や全国、そして滋賀県でも希少な存在となりつつあるメダカ(写真左)。化学農薬・化学肥料を使用しない田んぼ脇の通路で見つかりました。 |
ナゴヤダルマガエル「沖縄を除く日本でもっとも絶滅が危惧されているカエル」ですが、高島市の平野部の田んぼでは最もよく見られます。チュウサギの大好物。 |
ハッタミミズ日本では金沢と琵琶湖の周りでしか生存が確認されていない珍しいミミズ。田んぼの土を豊かにするのに一役買っています。 |
ナマズ田んぼの水路で育ったナマズの稚魚は琵琶湖で成長し、産卵のために水路を通って再び田んぼへ戻ってきます。こうした魚たちが田んぼに入りやすくするために、魚道を設置する取り組みもしています。 |
ニゴロフナ田んぼで孵化し稚魚となったフナは琵琶湖で成長し、再び田んぼへと戻ってきます。言わずと知れた滋賀県の名産品・鮒ずしの最高級素材です。 |
ゲンジボタル林縁部の水田の隣を流れる小さな谷川で見られます。ゲンジボタルが住んでいるのは、水がきれいで澄んでいる証拠です。 |
ガムシ中干し(梅雨明け前後に、稲の根を空気にさらし勢いづける目的で10日間ほど田んぼの水を落とす)の間も生きものが逃げ込めるようにビオトープ状の溝を造成した田んぼでは、ガムシやクロゲンゴロウなどの水生昆虫も元気に育っています。 |
情報提供:アミタ持続可能経済研究所